アクテムラ(一般名:トシリズマブ)は、大阪大学と中外製薬が共同開発した、日本初のヒト化抗ヒトIL-6レセプターモノクローナル抗体です。
主な特徴と効果
体内で炎症を引き起こす原因物質(サイトカイン)のひとつである「インターロイキン-6(IL-6)」の働きをブロックすることで、痛みや腫れ、発熱、全身倦怠感などの炎症症状を強力に抑えます。
- 適応疾患: 関節リウマチ、キャッスルマン病、若年性特発性関節炎、高安動脈炎、巨細胞性動脈炎のほか、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)による肺炎など多岐にわたります。
- 投与方法: 医療機関で行う「点滴静注」と、自己注射も可能な「皮下注(シリンジまたはオートインジェクター)」の3つの剤形があります。
注意点と副作用
- 感染症への注意: 炎症を強く抑えるため、感染症(肺炎や蜂巣炎など)にかかっても熱が出にくいなど、症状が隠されてしまう(マスクされる)ことがあります。
- 定期検査: 肝機能数値の上昇やコレステロール値の変動が報告されているため、定期的な血液検査が必要です。
ヒト化抗ヒトIL-6レセプターモノクローナル抗体製剤として世界初の皮下注製剤
他の製剤と異なる特徴をもつアクテムラに皮下注の選択肢を増やすことで、医療従事者及び患者さんに対して、アクテムラ治療における利便性の向上を図った。
- アクテムラ点滴静注用
通常、トシリズマブ(遺伝子組換え)として1回8mg/kgを4週間隔で点滴静注する。 - アクテムラ皮下注シリンジ、オートインジェクター
通常、成人には、トシリズマブ(遺伝子組換え)として1回162mgを2週間隔で皮下注射する。
なお、効果不十分な場合には、1週間まで投与間隔を短縮できる。
アクテムラについて
アクテムラは、炎症性サイトカインの一種であるIL-6の作用を阻害する働きを持つ、国産初の抗体医薬品です。国内では2005年6月に販売を開始し、点滴静注製剤では関節リウマチをはじめ7つの適応症(キャッスルマン病、関節リウマチ、全身型若年性特発性関節炎(sJIA)、多関節に活動性を有する若年性特発性関節炎(pJIA)、悪性腫瘍治療に伴うサイトカイン放出症候群、成人スチル病、SARS-CoV-2による肺炎)、皮下注製剤では3つの適応症(関節リウマチ、高安動脈炎、巨細胞性動脈炎)で承認を取得しています。現在、世界110カ国以上で承認されています。
サイトカイン放出症候群について
サイトカイン放出症候群(cytokine release syndrome:CRS)は、過剰な免疫反応にともない細胞から多量のサイトカインが放出され、血中のサイトカイン濃度が高度に上昇することを原因として引き起こされます。CRSは、CAR-T細胞療法や一部の抗体医薬品等を用いた悪性腫瘍治療で見られる副作用の一つで、多くの患者さんで軽度ないし中等度のインフルエンザ様症状(発熱、悪心・悪寒、筋肉痛等)を呈します。しかし、一部の患者さんでは重度の低血圧、頻脈、呼吸困難などが誘発され症状が急激に進展し、死亡に至ることがあります。



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