「抗生物質 感受性 S」とは、薬剤感受性検査の結果における判定区分の一つで、その抗生物質が原因菌に対して有効であることを示すものです。
SはSusceptible(感受性、または感性)の頭文字です。
「S」の意味と臨床的意義
薬剤感受性試験では、細菌がどの抗生物質に対して感受性(効き目があるか)を持っているかを判定し、通常は「S(感受性)」、「I(中間)」、「R(耐性)」の3段階で結果が報告されます。
S (Susceptible / 感受性・感性):
推奨される標準的な投与方法や投与量で、その抗菌薬が到達しうる体内の濃度で菌の増殖を阻止でき、治療による臨床効果が期待できることを意味します。
I (Intermediate / 中間):
SとRの中間の成績です。通常投与量では効果が低い場合がありますが、大量投与が可能な場合や、尿路など薬剤が移行しやすい(高濃度になる)特定の部位の感染症であれば効果が期待できることがあります。一般的には治療の第一選択とはされません。
R (Resistant / 耐性):
その抗生物質は効かない、すなわち臨床的な効果は期待できないことを意味します。
MIC値との関係
薬剤感受性検査では、多くの場合、MIC(Minimum Inhibitory Concentration:最小発育阻止濃度)という数値も同時に報告されます。
MIC値は、細菌の発育を阻止できる最小の薬剤濃度を示し、数値が低いほどその抗生物質の効果が高い(感受性が高い)と解釈されます。
このMIC値と、体内で達成可能な抗生物質の濃度(ブレイクポイント)を比較して、「S」「I」「R」のいずれかに判定されます。
同じ「S」の判定でも、MIC値がより低い薬剤の方が、より少量の抗生剤で菌の発育を抑えることができるため、治療薬選択の際にはMIC値も参考にされます。




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