スポーツクライミング・スピード競技 壁を一気に駆け登る日本女性選手。
【クライミング競技の歴史】
クライミングの競技化の始まりは旧ソ連で、現在のスピード競技の原型となるものが1950年頃から開催されていました。
その後、80年代にフランス、イタリアなどでリード競技が実施されるようになり、さらに90年代後半に、ボルダー競技の国際ルールが規定され現在にいたっています。
一方でクライマーの手と足のみを使って登りそれ自体に楽しみを見出す「ボルダリング」や「ルートクライミング」などの「フリークライミング」は諸説ありますが、
1920~40年代以降にアメリカのコロラドやヨセミテで発祥したと言われています。
特にヨセミテのクライミングは世界的に著名な地と言えます。
ヨセミテ国立公園は、アメリカ・カリフォルニア州にある花崗岩の殿堂です。
高さ900mの一枚岩である”El Capitan (エル キャピタン)”をはじめ、巨大な岩壁が無数にひしめき合う大渓谷で、クライマーの聖地とも呼ばれています。
【スポーツクライミングの概要】
スポーツクライミングは、登山のロッククライミング技術を基にした競技です。
人工壁を使い、リード、ボルダリング、スピードの3種目で競われます。
特に、2020年の東京オリンピックで正式種目として採用され、注目を集めました。
2024年のパリオリンピックでも、スポーツクライミングは実施される予定で、ボルダー&リードとスピードの2種目が行われます。
日本からも多くの選手が出場予定です。
スポーツクライミングには、リード、ボルダリング、スピードの3つの種目があります。
それぞれのルールは以下の通りです。
リード
高さ
15メートル以上の壁を登ります。
ルート
事前に設定されたルートを登り、できるだけ高い位置に到達することを目指します。
時間制限
1本のルートにつき6分間。
安全確保
ロープを使って安全を確保しながら登ります。
ボルダリング
高さ
4メートル以下の低い壁を登ります。
ルート
短いが難易度の高いルートを登り、できるだけ多くのルートを完登することを目指します。
時間制限
各ルートに対して数分間の制限時間があります。
安全確保
ロープは使用せず、マットで安全を確保します。
スピード
高さ
15メートルの壁を登ります。
ルート
同じルートを2人の選手が同時に登り、頂上のパネルをタッチするまでのタイムを競います。
安全確保
ロープを使って安全を確保します。
【スピードクライミングが圧巻!】
スピードクライミングは、その名の通り、壁をいかに速く登るかを競う競技です。
基本ルール
●壁の高さ
15メートルの壁を使用します。
●ルート
公式の規格に基づいて設置されたホールドを使い、同じルートを登ります。
●タイム計測
スタートからゴール地点のパッドにタッチするまでの時間を計測します。
●安全装置
オートビレイ機という安全装置を使用し、選手が落下した際に安全に降りることができます。
競技の流れ
予選
2本のルートをそれぞれ1回ずつ登り、早い方のタイムで順位を決定します。上位16名が決勝に進出します。
決勝
トーナメント方式で、予選順位に基づいて対戦が行われます。
1回戦、準決勝、決勝を経て優勝者が決まります。
世界記録
男子: 現在の世界記録は5.48秒です。
女子: 現在の世界記録は7.10秒です。
スピードクライミングは、観客にとっても非常にわかりやすく、スリリングな競技です。
選手が壁を駆け上がる速さは驚異的で、見ているだけでも興奮します。
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