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膀胱炎・尿道炎(尿路感染症)の検査と診断、よく用いられる漢方処方

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こんにちは。サイト運営者の「まちくま」です。この「お手伝い.com」ブログは2024年4月に開設してまだ間がないのですが、日々多くのアクセスを頂き感謝しています。

【膀胱炎・尿道炎(尿路感染症)とは】

尿路感染症とは尿路(おしっこの通り道)に細菌が感染することでおこる病気で、腎臓、膀胱、尿道、前立腺、精巣・精巣上体などに生じた感染症の総称です。症状は排尿時の違和感や痛み、残尿感、血尿などですが、重症化すると高熱が出ることもあります。
早期に発見し治療開始することが大切です。

【膀胱炎・尿道炎(尿路感染症)の原因】

尿路感染症の多くは、腸内細菌属が外尿道口から逆行性に入り込んで炎症をおこします。
クラミジアや淋菌などによる感染症は性行為が原因となることもあります。

【膀胱炎・尿道炎(尿路感染症)の症状】

男性と女性で尿道の長さが異なる(男性の尿道は長く、女性は短い)ため、性別によって生じる感染症の傾向も異なります。

●男性の場合

男性の場合は急性前立腺炎、急性精巣上体炎(副睾丸炎)が多くなります。
腸内細菌属の逆行性感染が主な原因ですが、性行為感染症の細菌が原因で発症することもあります。
特に高齢の男性は前立腺肥大を伴っていることがあり、尿勢低下(尿の勢いが弱い)や残尿量の増加(尿を出した後も膀胱内に尿が残ってしまう)のため、細菌を自分の力で排出する力が弱くなり、尿路感染症のリスクが上昇すると言われています。
症状は排尿時の痛み、残尿感、頻尿、血尿、発熱、会陰部の痛み、精巣の腫れや痛みなどです。
男性の場合、女性と比べて腎盂腎炎の発生は少ないといわれていますが、尿管結石の合併によって尿管が閉塞し、腎臓から膀胱への尿の流れが妨げられているような場合(水腎症と言います)は腎盂腎炎になります(結石性腎盂腎炎)。
結石性腎盂腎炎は抗生剤治療のみでは完治せず、敗血症を生じて重症化することも多いため結石や水腎症に対する治療も併せて必要になります。

●女性の場合

女性の尿路感染症では膀胱炎が最も多く、排尿時痛、残尿感、頻尿、血尿、下腹部痛(排尿後痛)、尿が濁るといった症状を自覚します。
膀胱炎で発熱をきたすことはありません。
しかし、膀胱炎が治療されず、細菌がさらに逆行して腎臓内にまで至ると腎盂腎炎となります。
腎盂腎炎を生じると38度以上の高熱や背中の痛みも伴ってきます(背中の腎臓部を叩くと痛みを伴うのが特徴です)。
内服薬の治療で完治を目指すことも十分可能ですが、全身状態によって点滴での治療が必要になる場合もあります。
腎盂腎炎は重症化すると膿腎症(腎臓に膿が溜まる)に至ることもあり、早期の治療が必要となります。
特に糖尿病を合併している方、ステロイド薬を内服している方などは重症化する危険性が高いので注意しましょう。

【膀胱炎・尿道炎(尿路感染症)の検査と診断】

●尿検査
尿中に白血球や細菌などがないかを調べます。

●超音波検査
尿路結石や前立腺肥大症、精巣上体炎などの合併が疑われる場合に実施します。

●血液検査
高熱や背部痛がある場合は腎盂腎炎を疑い血液検査も行います。

なかなか完治しない難治性の場合や再発を繰り返す尿路感染症の場合、何らかの原因疾患(尿路結石、膀胱癌、前立腺癌、前立腺肥大症、神経因性膀胱など)が潜んでいることがあります。
そのような場合、CTスキャン、尿細胞診、膀胱鏡、残尿測定といった検査を追加することもあります。

【膀胱炎・尿道炎(尿路感染症)の治療方法】

尿路感染症の治療は、薬物治療(抗生物質の投与)が基本になります。
膀胱炎や軽い前立腺炎、精巣上体炎であれば内服薬での完治が可能です。

38度以上の高熱を伴ったり、血液検査で炎症反応が著しく高く重症な場合には点滴による治療が必要になることがあります。
また、尿路結石や排尿障害(残尿量が多い)に伴う尿路感染症の場合は原因疾患に対する治療も併せて必要になります。

【膀胱炎・尿道炎(尿路感染症)の漢方処方のご紹介】

五淋散 (ごりんさん)という漢方処方がよく用いられています。

※但し、漢方処方を用いる場合、漢方に精通した専門家により、使用するご本人の体質(証)の確認を必要としますのでご注意ください。

五淋散 (ごりんさん)は主に尿路感染症や尿道炎などの尿路系の疾患に効果があるとされています。
その名前の由来は、「五」の漢字が示す通り、五つの尿路系の病気に対して効果的であることを意味しています。

使用のポイントとしては排尿痛、残尿感、頻尿などで小便の色が濃く(黄赤色)、尿の1回量が少ない方に用います。

具体的には、五淋散は以下のような症状に使用されます。

排尿痛: 尿をする際に痛みがある場合に効果があります。
頻尿: 排尿の回数が多くなる症状に対しても有効です。

この漢方処方は、抗菌・抗炎症作用、血流改善作用、利尿作用を持つ11種類の生薬から成り立っており、炎症を抑え、菌を押し流す効果があります。
また、五淋散は湿熱を瀉す処方であるため、裏寒や脾虚のある方には不向きのケースもあります。
この場合は、漢方専門家による竜胆瀉肝湯や清心蓮子飲などとの処方鑑別が必要となります。

●五淋散の名前の由来は五種類の淋の病(五淋)を治すところからきています。

淋の病とは頻尿・排尿痛・排尿の切迫した状態などを示す言葉で、性感染症の淋病とは異なります。
五淋とは、石淋(尿路結石)・気淋(前立腺肥大、神経性頻尿)・膏淋(尿がクリーム、米のとぎ汁状になるもの)・労淋(過労からくる排尿異常)・熱淋(急性の尿路感染症)のことであり、
五淋散は様々な尿のトラブルに対処することができる優れた漢方処方です。

●原典の『和剤局方』には「腎気不足し、膀胱に熱有り、水道通ぜず、淋瀝宜しからず、出ること少なく、起ること多く臍腹急痛し、蓄作時に発症し、労倦すれば即ち発するを治す。
或は尿豆汁の如き、或は砂石の如く、或は冷淋膏の如く、或は熱淋便血するは並びて皆之を治す」とあり、様々なタイプの尿トラブルに用いていたことがうかがえます。

●消炎作用、利尿作用、止血作用などを併せ持ち、細菌感染によって炎症が起こっているような場合にも、細菌が膀胱・尿路に残存しているようなもの(利尿作用により細菌を排泄)にも効果が期待できます。
また、膀胱炎などで抗菌剤により細菌を駆逐できたものの、症状が残ってしまうようなケースにも用いられます。

【処方構成】使用される11味の生薬の説明

主薬は山梔子(サンシシ)と黄芩(オウゴン)で、消炎・解熱・鎮静作用を持ち、黄芩はさらに利尿作用なども持ちます。
芍薬(シャクヤク)・甘草(カンゾウ)・当帰(トウキ)の三薬は鎮痙・鎮痛効果によって排尿痛を緩解します。
地黄(ジオウ)は清熱涼血に働き、止血の効果があります。
芍薬・当帰・地黄は補血の効果を持ちます。
滑石(カッセキ)・沢瀉(タクシャ)・茯苓(ブクリョウ)・木通(モクツウ)・車前子(シャゼンシ)には、すべて消炎作用と利尿作用があり、炎症をしずめ尿を稀釈して尿路の刺激性を緩和し、かつ細菌を洗浄する効果があります。
以上のように五淋散は消炎・解熱・鎮静・鎮痛・止血・補血・利尿などの作用があり、尿路系の炎症に対する優れた漢方処方とも言えます。

【まとめ】

尿路感染症は男性の急性前立腺炎や精巣上体炎、女性の膀胱炎や急性腎盂腎炎など軽症なものから重症なものまで多岐に渡ります。
「排尿時に激しい痛みがある」、「排尿の回数が異常に多い」、「急に尿がでにくくなった」、「血尿がでた」といった症状を自覚した場合は早めに医療機関を受診されてください。

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大阪府堺市西区の一住民。自宅近隣の浜寺公園でいつもウォーキングしてます。職業はフリーランス。(他に複数のサイトを運営中。)趣味は、バイク、ネット散策、家庭での料理です。プロフィール詳細はこちら≫

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